債務整理からののアドバイス
損益計算書に記載されている数字は甲さんの数字も、乙さんの数字も、他の営業マンの数字も、「一緒くた」になった状態なのです。
G社ではこのような「一緒くた」になった損益計算書しか作ってこなかったので、社長はほんとうの甲さん、乙さんの業績を知ることができなかったのです。
売上げや費用を甲さんと乙さんに分類し、甲さん乙さんそれぞれの損益計算書を作れば、「一緒くた」になった状況を解消することができます。
これがG社の社長が利用した「ある会計手法」、うまり「部門別損益分析」です。
乙さんのほうが優秀な理由とはさてここで本題に戻り、甲さんと乙さんのどちらが優秀な営業マンか、という問題にういて、部門別損益分析の手法にしたがって答えを探っていくことにしましょう。
まずは売上げと費用を甲さんと乙さん別々に分類し、甲さんの損益計算書、乙さんの損益計算書を作っていきます。
なお、本社の家賃といった、甲さんと乙さんに区分できない費用は共通費として区分することにします。
・売上げにういて甲さんが担当する工事の売上げと乙さんの担当する工事の売上げに区分します。
・材料費や外注費などの工事にかかった費用売上げと同様に担当する工事に応じて区分します。
・諸経費にういて甲さんが使った支出と乙さんが使った支出とに区分します。
区分できない支出は共通費とします。
具体的には次のとおりです。
給料などの人件費甲さんの給料は甲さんの部門、乙さんの給料は乙さんの部門、その他の人の給料は共通寅とします。
その他の諸費用甲さんが使ったとはっきりわかる支出は甲さんの部門に、乙さんが使ったとはっきりわかる支出は乙さんの部門にします。
はっきりしない支出は共通費とします。
具体的には携帯電話の使用料や出張の交通寅、接待の費用などが甲さん、乙さんに区分できます。
共通費については、売上高の割合により甲さんと乙さんに配賦することにします。
このような区分をもとに甲さんと乙さんの損益計算書を作ると、次のとおりになります。
乙さんが約2000万円の黒字を出しているのに対し、甲さんは約1000万円の赤字になっています。
会社の業績に対する甲さんと乙さんの貢献度が一目瞭然になります。
これが部門別損益分析の手法による分析結果なのです。
営業マン別損益計算書からわかることなぜ甲さんは乙さんの倍の売上げを稼いでいるのに、会社の業績に貢献できないのでしょうか。
その理由を、先ほどの営業マン別損益計算書から探っていくことにしましょう。
まずは売上高と工事原価の数字に注目してください。
売上高から工事原価を差し引いた数字を計算するとともに、工事原価の金額を売上高で割り、率を計算してみましょう。
前者の金額は「工事利益」といい、工事により稼いだ金額を表します。
後者の比率は「工事原価率」といい、工事の売上げに占める工事原価の割合を表します。
甲さんと乙さんの工事利益を比較してみましょう。
甲さんの工事利益は5000万円(2億円-1億5000万円)です。
一方、乙さんの工事利益も5000万円(1億円-5000万円)です。
なんと工事利益は2億の工事売上げを誇る甲さんと、その半分の工事売上げしかない乙さんが同じだったのです。
その理由は、工事原価率を比較すると一目瞭然です。
甲さんの工事原価率は75%(1億5000万円小2億円)。
つまり100円の工事に75円も工事原価がかかっています。
乙さんの工事原価率は50%(5000万円中1億円)。
つまり100円の工事が50円の工事原価でできるのです。
甲さんの工事は儲けが少なく、乙さんの工事は儲けが多いことになります。
次に諸経費を見てみましょう。
甲さんが使った諸経費は2600万円です。
一方、乙さんの場合は1250万円です。
工事の利益が同じなのに、甲さんのほうが乙さんより経費を多く使ってしまっているのです。
大きな仕事に潜む落とし穴では、どうしてこんな結果になってしまったのでしょうか。
甲さんと乙さんの仕事ぶりから理由を探ってみると、大きな仕事に潜んでいる落とし穴が見えてきます。
甲さんはライバル会社との受注合戦に勝っために懸命な営業活動をしてきました。
一方、乙さんは得意先から頼まれた仕事を懸命にこなしていました。
甲さんは得意先に受注のお礼に接待をしていたそうですが、乙さんは仕事を受けるたび、「こんな面倒な仕事をやってくれてありがとう」とお礼を言われたそうです。
営業マン別損益計算書を分析してみようライバル社が多ければ、当然のように価格競争が激しくなり、値引きをせざるを得ません。
頼まれてやる仕事ならば競争相手はいませんので、値引きの必要はなく、少々高くても相手はその値段を呑んでくれます。
ここに甲さんと乙さんの工事原価率に差がういた第一の原因がありました。
ここで視点を変えて外注先の都合を考えてみましょう。
甲さんの工事はたしかに規模の大きな仕事なのですが、いつもあるわけではありません。
いわゆる単発的な仕事で、外注先は仕事のない期間、うまり遊んでいる期間が生まれてしまいます。
一方、乙さんの仕事はたしかに規模は小さいのですが、ほとんど毎日、確実に発生します。
外注先は仕事のない期間、うまり遊んでいる期間が生まれないのです。
遊んでいる期間があるケースとないケース、どちらが工事の単価を安くできると思いますか。
当然遊んでいる期間がないほうが単価を安くできます。
ここに甲さんと乙さんの工事原価率に差がういた第二の原因がありました。
諸経費が甲さんのほうが多くかかっている原因は、説明するまでもないと思います。
甲さんは仕事をとるために、ゴルフ代や飲食代などを使って得意先を接待しました。
一方、乙さんは得意先からお願いされた工事をするだけなので、このような支出は発生しません。
甲さんは値段交渉などをするため、携帯電話を使って連絡をとり、交通費を使って相手の会社で打ち合わせをしました。
一方、乙さんは得意先から電話で依頼された工事をするだけなので、このような支出は発生しませんでした。
一見、儲かりそうに見える大きな工事のほうの採算が悪く、儲かりそうもない小さな工事のほうが採算がいい……。
まさに大きな仕事の落とし穴といえるでしょう。
の部門別損益分析とは部門別損益分析の手法とは、売上げや経費が〓措くた」になった状況を解消して、わかりやすく区分した損益計算書を作成するテクニックのことをいいます。
経営の現場においてもよく使われています。
具体的には支店、事業所、営業所の管理などです。
ここでは営業所の管理にどのように使われているのか、東京、大阪、札幌に営業所がある会社を例に具体的に説明することにしましょう。
ふつうの損益計算書では東京、大阪、札幌の売上げや費用が一緒くた」になり各営業所別の業績を知ることができません。
これでは業績の悪い営業所をテコ入れや撤収する、あるいは業績の良い営業所を拡大するなどの経営判断ができません。
そこで部門別損益分析の手法を活用し、売上げや諸経費を各営業所別に分類し、営業所別の営業成績を明らかにしていきましょう。
具体坤にはまず売上げや仕入れ、諸経費を営業所別に区分していきます。
たとえば売上げについては東京営業所扱いのものは東京、大阪営業所扱いのものは大阪……といった具合です。
諸経費についても同様に、東京営業所の家賃、社員、電気代、電話代は東京に……といった要領で各営業所に割り振っていきます。
なお本社の家賃や社長の給料など、営業所別に割り振れない経費は各営業所に共通する費用なので共通費として区分します。
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債務整理の結論やまとめの段落を最初に持ってきたため、本来最初にくるべき債務整理についての段落の持っていき場所に困ったということでした。